kshinshin's blog

ヨモヤマ話

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

言わないという姑息さ・ガイブンから帰宅する日もある・「マッドマックス 怒りのデスロード」

▼ 言わないという姑息さ いま住んでいる勝どきの建物が取り壊しになり、転居先を一月以降ずっと探し続けている。転居の前にいろいろ交渉やらあって、本格的には三月くらいに探し始めた。エリアをまず決めるところから引っ越しは始まるのだけど、娘がそろそろ…

映画「エディ・コイルの友人たち」

武器の仲買調達屋であるエディを眠たい眼をしたロバート・ミッチャムが演じる。エディは訴追を受け、収監されそうになっているのだが、しのぎのために、若い武器の調達屋から買い上げた銃を、仲間の銀行強盗にさばく。行きつけの食堂にいる主人はどうも暗黒…

妖術と戦争と怪物、歴史

妖術と戦争というのは、兵器技術史を紐解けば、不可分の関係にあったことは、資料に当たれば知れる。怪物を戦争のために使役した伝説もあり、人間は戦争のためならば、なんでも利用し、非常に殺伐とした人間関係で殺し殺されるものだったのだということも、…

映画「ニーチェの馬」

ニーチェが目撃した馬の挿話というのが全然気にならないので、タル・ベーラの新作など観なくていいと思っていたが、滝本誠氏が褒めているというか、ジャガイモの映画というので、それならばと思い、観た次第。 強風荒ぶ風景とムッツリした人物が馬が荒れたの…

映画「呪われたジェシカ」

南部の田舎町に精神を止んだ履歴のあるジェシカと夫、その友人が移住する。リンゴ園をもつ屋敷に住むのだが、当然のように町の老人に嫌われる。ここで包帯を巻いた老人が男しかいないとか、渡し船の船長らしき男に「あそこに住むのか」など言われるのはムー…

映画「燃える昆虫軍団」

ウィリアム・キャッスルが関わっているというだけで、猥雑で楽しそうだと期待が膨らむ映画である。テレビで観た覚えがあるきりで、まともに観るのは初めてだ。 地震が起こって、教会もパニックになる開巻。ここで生物学者の妻が参加しているのだが、送ってあ…

映画「ストーカー」

タルコフスキーの「ストーカー」だが、原作のみ読んでいただけで、以前名画座で観ていた時は寝てしまい、二回転目の上映にも気づかず、さらに寝て、思い出したら終映時間だったという、「さすらい」でも同じことになった、そういう思い出がある。 今回リマス…

映画「トレマーズ」

劇場公開の二本立ての一本として観て、非常に面白かった記憶がある。今回観直してみると、やはり面白い。けれど、ガキっぽさを失いつつある僕は、悲しいかな、脳天気さに苦笑したりする。アメリカ西部のど田舎、14人の町で便利屋稼業を営むケビン・ベーコン…

映画「1408号室」

ジョン・キューザックの一人芝居に近いこの映画。もとはジャンル作家ではなかったが、娘の死をきっかけに幽霊屋敷、幽霊ホテルなどを題材に書き飛ばしている彼が、1408号室に来るなという葉書をもらって、娘の記憶に彩られ、忌避しているNYへ行くことにする…

映画「サベージ・キラー」

聾唖の女が婚約者のもとへ行く途中で先住民刈りをするレッドネックたちに捕まり、強姦され、死亡寸前にまで追いやられる。辛くも生きていた彼女を先住民の呪術師が救け、魂を復活させようとするが、レッドネックの祖先が殺したアパッチ族大酋長の怨霊を呼び…

映画「キャビン・フィーバー」

公開時は銀座シネパトスで観た。イーライ・ロスという名前を覚え、「ホステル」でも感心頻りだった。公開された時はデイヴィッド・リンチの褒め言葉で誘われたのだ。アンジェロ・バダラメンティが音楽を提供している。 再見してやはり、イーライ・ロスは才人…

映画「フローズン・グラウンド」

ニコラス・ケイジの出る刑事映画で、それが実話であるというなら、眉唾ものだから、観ないでおこうと思って試写案内も劇場公開もスルーしてしまったことに、僕が恥じ入ることになってしまったという映画である。 ティーンの娼婦がレイプ監禁から逃れてきて保…

映画「イーライ・ロス in ザ・ストレンジャー」

ザ・ストレンジャーと聞いてオーソン・ウェルズを思い出したが、どうでもいい話だ。イーライ・ロスがプロディースした本作は感染とか何とか書いていても結局のところはヴァンパイアである。 16年前に妊娠をきっかけに別れた妻を探して、夫が火山の麓にある、…

映画「アフターショック」

才人イーライ・ロスの脚本出演作。チリに旅行でやって来たアメリカ、ハンガリー、ロシア、地元民の一行がワイワイと騒ぎ浮かれるのは「ホステル」以来の常道である。だいたいのバックグラウンド紹介を終えると手際よく地震が起き、事故や暴徒が彼らの脅威に…

映画「トロール・ハンター」

ノルウェーの山や森に棲む伝説のトロールは実在しているという話。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」以降のPOVによる恐怖譚だが、これはホラーというより怪獣映画である。トロールがテリトリーを離れて暴れまわるのを止める、トロール・ハンターが非情に格…

映画「或る殺人」

オットー・プレミンジャーの法廷劇。ジェイムズ・スチュアートのヤメ検がベン・ギャザラが起こした殺人を弁護するのだが、ベン・ギャザラはレイプされた妻をみて逆上し、犯人を射殺したという。心神喪失状態か否かを問うわけだが、レイプはじっさいになされ…

映画「ディフェンドー」

ウッディ・ハレルソンという俳優は好きだ。なんの活躍もしなかった「ノーカントリー」での演技に感心して以来、好きでいる。その彼が主演したのが本作で、スロウな自警「ディフェンドー」を描いたものだ。 麻薬中毒の母親は失踪したまま、その原因たる麻薬売…

映画「魔警 クリミナルアフェア」

リンゴ・ラムダンテ・ラム(ご指摘ありがとうございます)いう監督を手放しで褒めるほど、まだ僕は彼を信じてはいない。ジョニー・トーほど、出自や主張を理解できない変わり種であるからだ。その彼の「魔警」はニック・チョンが無慈悲な悪党を演じ、ダニエ…

映画「ゴーストハンターズ」

子どもの頃に観た映画で、たしか「エイリアン2」と同時期だったかと思う。だとすると中1の頃で、こういうチャイナタウン=ネオンPlusエキゾチックという造形が「ブレードランナー」であったり「48時間」であったりする時期で、ああそうかと納得する。 映…

映画「チャッピー」

ニール・ブロムカンプの新作だ。ヨハネスブルグの治安悪化に伴い、兵器開発会社が自律型ドロイド警官を開発し、投入される。ドロイド投入は成果を上げるが、計画者の若い男が理想なのは人工知能付属のドロイドだ。いっぽうで「ロボコップ」の出来損ない攻撃…

映画「誘拐の掟」

アルコール依存症を脱するため、会へ参加している無免許探偵マット・スカダーが、麻薬ディーラーから依頼を受ける。はじめは断るが、ディーラーの真剣な態度に動かされ犯人追跡を始める。彼の妻が誘拐・惨殺されたのだが、どうやら連続殺人らしいと判明し、…

映画「ホドロフスキーのDUNE」

ホドロフスキー「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」二作がどうしてもコメディとしてしか楽しめない自分は「砂の惑星」をどう撮るんだろうと常日頃から気にしていた。笑いの要素がふんだんな「砂の惑星」もありかなあと思ったし、「ホーリー・マウンテン…

映画「荒野の千鳥足」

だいたいそのタイトルで気にならないというほうが嘘で、こんな映画があるよと聞けば、観たくなるはずだ。少しでも映画にのめり込むタイプの人ならば。で、スコセッシだのエバートだのがいい映画なのかどうかちょっと判別しがたいコメントを出しているので、…

映画「リベンジ・オブ・グリーンドラゴン」

蛇頭というのは福建省あたりの密入国をビジネスに据えた黑社會の一派である。この蛇頭は日本への密入国でも話題にされ、記憶している人は少ないかもしれないが、大森駅前の公園で惨殺死体が見つかった事件があった。この下手人として疑われたのが蛇頭のメン…

映画「私の少女」

ペ・ドゥナが自身のセクシュアリティを問題視されて左遷されてしまったキャリア警官を演じる。左遷先は漁業関係者で若い男が一人だけというような寂れた漁港。出稼ぎ外国人、高齢化、少子化がひろがった漁村といっていい町だ。そこの署長としてペ・ドゥナは…

映画「ジャージー・ボーイズ」

クリント・イーストウッド映画として「アメリカン・スナイパー」のほうが好みなので、どうも語るのが遅くなった「ジャージー・ボーイズ」だが、悪くない。歌って躍る場面は少なく、ほとんど語りの部分はマーティン・スコセッシのような立て板に水な感じであ…

映画「ホーン」

アレクサンドル・アジャという監督は、自身の血肉にした70年代ホラーを焼き直して、うまいことやってしまう監督として認識している。 「ホーン」はそういったラインのなかにあって、ひょいと水面に顔を出した観がある「奇妙な味」の作品だ。 幼なじみの恋人…

映画「ラン・オールナイト」

リアム・ニーソンが活躍する映画なのだが、それなら「96時間」「アンノウン」などで、どれなのだと訊かれることもなくなった。リアム・ニーソン・アクション映画というブランドがいつの間にやら出来たのだ。 ここでのリアム・ニーソンは殺し屋だがロートルで…

映画「バトルシップ」

僕の知り合いや友人で本作が好きな人が多く、総じて苦笑しつつ「じつは好きでねえ、とくに後半が」という。僕も同じクチだ。 異星へ通信を送ったら、攻撃的な異星人が来襲し、演習中の米国中心の艦隊と遭遇戦になるという話で、いたってシンプル。兄弟の艦隊…

映画「大いなる勇者」

ロバート・レッドフォードとシドニー・ポラックのタッグ作。僕はこの二人だと「コンドル」に尽きると思うが、脚本参加のジョン・ミリアスの功績か、メロドラマではなく奇妙な山男の話になっていて面白い。 どうやら軍を抜けだした男がロッキー山脈麓へ現れ、…