kshinshin's blog

ヨモヤマ話

映画「ホドロフスキーのDUNE」

ホドロフスキー「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」二作がどうしてもコメディとしてしか楽しめない自分は「砂の惑星」をどう撮るんだろうと常日頃から気にしていた。笑いの要素がふんだんな「砂の惑星」もありかなあと思ったし、「ホーリー・マウンテン」のような結果はハッピーかつ、脳天気なものであっても、楽しいだろうなあと思っていた。大好きなダン・オバノンがどう関わったかも気になっていたが、この映画を観て肉声も聞けて、嬉しかった。ファンとしては、好きな人物の声を聞けるだけで、ただただ嬉しいということもあるのだ。

「エル・トポ」の少年、監督の息子は年を経て、渋いおっさんになっていて、感慨深くなったり、ギーガーが嬉しそうだが、陰気に語っていたり、やっぱりホドロフスキーがなんともエネルギッシュで、いい漢であることが印象深くなったり、アートワークの一端が素晴らしく、溜息が出たり、ほんとうに楽しめる。

なにより、ホドロフスキーがリンチ「砂の惑星」に恐れをなし、無理に観て、どんどん元気になって「この映画化は失敗した!」と雀躍するあたりは、素敵すぎた。

 

岸川真