kshinshin's blog

ヨモヤマ話

映画「エディ・コイルの友人たち」

武器の仲買調達屋であるエディを眠たい眼をしたロバート・ミッチャムが演じる。エディは訴追を受け、収監されそうになっているのだが、しのぎのために、若い武器の調達屋から買い上げた銃を、仲間の銀行強盗にさばく。行きつけの食堂にいる主人はどうも暗黒街で殺人を生業にしていたようで、エディたちは知らないが、財務省の役人に情報を流している。ミッチャムは収監を逃れるため、食堂の主人が懇意にしている財務省の役人に会い、情報をやるから減刑をと頼む。そこで若い武器の調達屋を売ってしまうのだが、これでは小物だと言われ、銀行強盗を売ることを迫られる、迷っている間に食堂の主人が銀行強盗を売り飛ばし、エディは収監確実となり、さらに銀行強盗たちのバックのボストン黑社會が裏切り者だと決めつけてしまう。食堂の主人が殺しをバックから依頼され、自分の保身のために引き受ける。エディはそんな事情も知らずに刻々と死に近づいていく。

ロバート・ミッチャムが若い衆には大口を叩くが、結果的には悲運を逃れられないという大物になれない下働きのベテランを演じる。終盤、のんだくれ感が堪らなくいいので、それだけでも観る価値あり。とにかく、非情というか、クールというか、殺伐というか、そういう世界をサラリと描いてみせるピーター・イエーツは只者ではなかったのだ。音楽であるデイヴ・グルーシンもいい。

 

岸川真