kshinshin's blog

ヨモヤマ話

妖術と戦争と怪物、歴史

妖術と戦争というのは、兵器技術史を紐解けば、不可分の関係にあったことは、資料に当たれば知れる。怪物を戦争のために使役した伝説もあり、人間は戦争のためならば、なんでも利用し、非常に殺伐とした人間関係で殺し殺されるものだったのだということも、よく分かる。

それを戦争の悲惨や反対という意見にするつもりは、僕にはない。ただ人間はそういうことを考えたり、やってきたのだという事実は見過ごすべきではないということで、たいへんに馬鹿げていて、なおかつ真剣で、また無反省に現在もドローンなどを使い、殺伐たる世界を動かしているのだなあと感心するのである。

英雄的行動も、犠牲にされる方や英雄的人物や集団に殺される側からすれば、たいへんに残虐で、困り果てるものだ。こういう逆説もまた、使い古されている。平時の気の利いた場所で、こういう逆説を語ると受け入れられるが、真剣な侵略戦争などを想定した議論のなかで口にすれば厭戦だとか反戦だとか、いろいろの非難が起こるわけだが、そんなものは関係なく、戦いに関われば、敵味方友人知人一族郎党から隣人、見知らぬ誰かに至るまで殺伐の坩堝で煮込まれるのだから仕方がない。

様々なジャンルを含めて、殺伐の屹立ということが、僕の中では現在形で最大のテーマになっている。

 

岸川真